【水漏れ修理】アメリカンスタンダード2レバー式混合水栓

我家の洗面所の水栓は、アメリカンスタンダード社製【American Standard】のハンプトン【Hampton】#7881 洗面器用2レバー式混合水栓(8インチセンター)という商品なのですが、ある日を境に洗面所の蛇口からポタポタと水漏れが…。
築18年にしてとうとう修理が必要になりました。
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原因と応急処置
「アメリカンスタンダード・水栓・水漏れ」で調べたところ、すぐに同様の故障が見つかりました。原因はどうやらバルブカートリッジの劣化のようです。
ポタポタ発見後、応急処置としてまずは止水しておきます。これは洗面台内部(扉の中)の止水栓のハンドル(湯/水、故障している側)を、時計回りにひねれば水は止まります。
もちろん一時的に使いたい時には、止水栓のハンドルを反時計回りにひねれば湯/水は出ます。水漏れの状態にもよりますが、家族の朝の身支度が終わったらまた止水しておくと良いでしょう。
部品さえ買えれば、DIYで修理可能
ハウスメーカーに連絡を入れても部品代+人件費で高いだろうし、輸入品だけど部品さえ買えれば自分で修理できるんじゃないかと調べてみたところ、Amazonで売っているのを発見。DIYで修理している方がいらっしゃることがわかりました。
購入部品(カートリッジ)
Amazon・楽天・Yahoo、いずれも部品の取り扱いがありましたが、私が購入した時点(2023年10月初旬)では、Amazonが最安でした。
セールやポイント等の関係で楽天やYahooで購入したいという方は、各店最新価格をご確認下さい。
Amazonで部品を購入

Amazonの検索では同じような品番で2つの商品がヒットします。
ん?品番末尾の「/H」って違う商品なの?
ネットで調べた本家の図面(記事末尾参照)に記載されていた部品の商品番号は「994053-0070A」でしたが、クチコミを読む限りでは、どちらの商品でも修理できそうです。お値段も800円/個ほど安かったので、上の商品を2個(今回はお湯のほうだけ故障しましたが+1個予備として)購入しました。
結論を先に言うと「994053-0070A/H」のカートリッジでも#7881の混合水栓の水漏れは無事直りました。何か違いがあるの?どっちを買おう…とお悩みの方、どちらでも大丈夫ですのでご安心ください。
本家 American Standard のサイトでは 同商品(994053-0070A)のQ&A にて「994053-0070A とホームデポに売っている 994053-0070A/H は同じカートリッジか?」と質問が出ており、それに対して American Standard Consumer Connection チームより 「同じ商品です」と回答がついていました。
「末尾のA/Hは何の意味があるのか」という問いに対しては「販売される場所に基づいてパッケージが異なるだけ」と回答しています。
補足情報:互換性のある部品
また、994053-0070A/Hと同じ価格帯でもう1つ別の商品がありました。
商品パッケージにも「Compares to American Standard 994053-007A」と記載があるので、互換性のある商品のようです。
こちらのクチコミで、旧:東急ホームのミルクリーク(現:東急ホームズ)での修理事例が2件ほどありました。レビュー添付写真に#7881のハンドルが写っていたので、こちらの部品でも修理が可能のようです。(我家もミルクリークです)
が、5カ月ほどでまた壊れてしまったというクチコミがあります。たまたま不良品に当たってしまったということもあるかもしれませんが、現在純正品の在庫もあり価格差もないので、純製品:994053-0070A/H を購入したほうが安心かもしれません。
準備と諸注意
本家:American Standardが、カートリッジ交換の動画を公開しています。基本手順を動画て見ておくとわかりやすいです。
How to Replace a Leaking Bathroom Faucet Cartridge ※YouTubeです
必要な工具類
基本的には、以下の工具類があれば大丈夫。今回しか使わないような特殊な工具は必要ありませんでした。
- モンキーレンチ(調節式レンチ:我家にあったモンキーレンチは~25mm)
- マイナスドライバー(大/小)
錆てしまっていて部品が回らない(外れない)という事もあるので、都度必要に応じて工具をプラスしてお使いください。
事前準備:カートリッジには調整が必要
ハンドルの動きは湯/水で左右対称の動きですが内部の部品は共通なので、修理する場所に応じて、部品をセットする前に調整しないといけません。(そのまま使うと、変な位置/方向にハンドルを回さないと水が出ないということになります)
購入してきた初期状態が「湯(HOT)」用になります。
水(COLD)用に調整するのは以下の通り。簡単にできます。Amazonのレビューでも詳しく解説して下さっている方がいらっしゃいますが、こちらも本家で動画が公開されています。
How to Change the Handle Rotation on a Faucet ※YouTubeです
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銀色のパーツを向こう側へ移動させる ※追記参照 |
- カートリッジ本体のコの字型のピン(金色)を外す
- 外したピンの下のストッパー(銀色)を少し持ち上げて初期位置から反対側へ移動させる(そのままスライドはさせない)※追記参照
- 外したコの字型のピンを戻す
各パーツはマイナスドライバーで簡単に外れます。ちなみにピンを外さなくてもストッパーの向きをマイナスドライバーなどで動かせるというレビューもありました。 ※追記参照
【追記】カートリッジの開閉を確認
約1年後(2024年11月)に水の方もおかしくなったので、前回同様の手順で部品交換をしました。(この時もバブルカートリッジが回らず、下にもぐって全パーツの取り外しとなりました)
上記のように銀色のストッパーをスライドさせて「水用」にしたつもりだったのですが、そのままスライドさせただけだと、取り付けた時にハンドルの位置はあっているのに水の出が逆になってしまいました。(ハンドル横:閉:水が出る、ハンドル縦:開:水が止まる)
しばらく1人で試行錯誤しましたがうまく調整できません。改めて部品を夫に見てもらったところ、カートリッジを下から見た時の開閉が水用になっていない事に気づきました。
※カートリッジを下から見た時、開:白黒・閉:すべて白になっています
上記手順で銀色のストッパーをスライドさせると、カートリッジ内部の部品が連動して開閉される仕組みになっており、購入してきた部品を「水用」にする場合は、カートリッジ内部は「閉」の状態で、銀色のストッパーは画像通りの位置にする必要があります。
銀色のストッパーはスライドさせず、一度とりはずして上記の位置にはめなおすのが正しかったようです。マイナスドライバーで簡単にとれますので、水用の位置に上からとりつけ、金色のコの字ピンをセットしましょう。
本家の動画でも、ちゃんとドライバーでパーツを持ち上げて移動させていますね。(わたしの確認不足です…)
私と同じように勘違いをしていて、水用修理の際に「ハンドルの位置はあっているはずなのに水の出がおかしい」という方、カートリッジの開閉状態と銀色のトッパーの位置の両方をご確認ください。
約1年の時差がありましたが、結局水/湯ともに交換となりましたので、部品切れで修理断念…とならないように、前回と同様の商品をまた2個購入しました。(American Standard 994053-0070A/H バルブカートリッジ 小売用 2,950円 ※2025年1月購入時点 前回と比較して 1,050円安)
作業前の諸注意
止水栓がちゃんと閉まっていることを確認してから作業を始めてください。
分解するときに黒いパッキンがついているパーツがありますが、パッキンも劣化していますので、ちぎれないように気を付けてください。本当は新しくすれば良いのでしょうが、現段階では互換性のある国産パッキンは調べていません。
さて、以下から修理手順の解説です。
今後同じようにお困りの方の参考になるように、修理途中でいくつか注意すべきこと・気づいたことなどを合わせて記載しておきます。
インデックスキャップを外す

#7881の場合、ハンドル本体の上部にちょんとついている小さな金色のキャップです。中に小さな黒いオーリングがついています。
小さめのマイナスドライバーを隙間に差し込み、てこの原理で持ち上げると外れます。水栓本体・内部オーリング共に傷つけないようにご注意を。本体に傷をつけたくない方はプラスチック製のオープナーがおすすめです。
※プラスチック製のオープナーは、ゲーム機やスマホなどの分解ツールとして楽天やAmazonなどで安く売っています。(画像のような青い三角のタイプが使いやすいです)
ハンドルスクリューを外す
小さなキャップを外すと、ハンドル本体の中に金色のネジが見えます。これを大きめのマイナスドライバーで外します(反時計回り)。我家はあまり力を必要としませんでしたが、Amazonのレビューでは回すのが大変だったという方もいらっしゃいました。
レバーハンドルベースとハンドルアダプターを外す
我家はハンドルベースと中のハンドルアダプター(灰色)が合体していてゴソッと外れましたが、基本は別々のパーツです。バルブカートリッジを軸に差し込んであるだけなので、上に持ち上げれば外れます。
バルブカートリッジを外す

金色の丸い台座から出っ張っているのがバルブカートリッジの部品になります。このバルブカートリッジだけを(5mm程度の厚みの部分)レンチで反時計回りにまわして外します。
※力任せに回さないように注意!(ポイントは後述)
古いバルブカートリッジを外し、中を覗いてみて汚れが気になる様であればお掃除してから新しい物に交換します。その後また逆の手順で組み立ててください。
最後は止水栓を開放して、元のハンドルの位置で湯/水が出て、もう水が漏れてこないことを確認して作業終了です。
バルブカートリッジが回らない場合
レビューでは皆さん「取り外す」の一言で作業が終わっていますが、我家はこのパーツを外すのに大変苦労しました。
錆ついているのか・施工時の力加減なのか、バルブカートリッジが全く動きません。無理にレンチで回そうとすると洗面台下の別パーツ(バルブボディとT&ホース)も回ってしまうのです。
※洗面台下のバルブボディが一緒に回ってしまっている場合、バルブカートリッジと一緒に下の台座(洗面台上の金色の平らなパーツ)ごと回ります。
このまま強行すると最悪、給水ホース?継ぎ目?から水漏れするようになってしまうという情報があったので注意が必要です。
※T&ホースキットの交換が必要になってしまった場合、日本のAmazonでは記事作成時時点で取り扱いがなかったので、本家 Amazon.com からの輸入になります。国産代替品については調べていません。
木片をはさんで(洗面台下のバルブボディのパーツが一緒に回らないように)という方、カートリッジを回す人と下でボディをおさえる人の2人体制でチャレンジした方もいらっしゃいましたが、我家はバルブボディ本体を丸ごと外すという方法をとりました。
以下、狭い場所に仰向けで潜り込んでの作業になります。
バルブエスカッションキットを外す
これは洗面台上部の作業です。金色の丸く平らな台座部分のパーツですがバルブボディにネジ止めされているので、反時計回りにまわして外します。※内部にパッキンがあります。
平らなので力が入れにくいのですが、幸いこれは私でも外すことができました。
これを取り外すと、洗面ボウル本体との隙間に汚れや錆がついていると思うので、あわせてお掃除しておくと良いですよ。
T&ホースの取り外し
ホースを外す作業の前に、念のため両側(湯/水)の止水栓を閉めておきます。
さて、仰向けになって洗面台下からの作業です。ホースから内部に残っている水が出てきますのでタオルを用意しておきましょう。
吐水口本体の真下から両サイド(湯/水)にホースが繋がっていると思います。バルブボディに繋がっている銀色のナットを回して、ホースをはずします。
給水管からバルブボディを外す
水道管(銀色)とバルブボディ(真鍮)の間のナット(銀色・小さなパッキンあり)を回してバルブボディを取り外します。この時バルブボディから水が出てくるので要注意です。
で、ゴソッと洗面台から取り外されたバルブボディがこちら。上の部分は取り外せなかったバルブカートリッジがついています。

バルブカートリッジの取り外しをするうえで、アタッチメントナット(黒いパッキンをはさんでいる)の突起が邪魔な場合は、ボディ本体からクルクル回して外すことができます。
外す前にはナットの元の位置をmm単位で測っておきましょう。
バルブカートリッジを取り外す
ここから先は私の力では無理だったので夫にバトンタッチ。なんとか無事バルブカートリッジが回り、取り外すことができました。
洗面台に取り付けてある状態よりも丸ごと外してしまったほうが力を入れやすいので、バルブカートリッジが回らない場合は、手間はかかりますが「丸ごと取り外す方法」をおすすめします。
内部の掃除と組立・最終確認
ボディ内部に緑青(ろくしょう)のような汚れがついていたので、マイナスドライバーと綿棒でチョイチョイと汚れをとりました。その後は逆手順で組み立てていきます。
全て組み立て終わったら止水栓を開き、ハンドルの動き・位置と湯水の出具合の確認。また、バルブボディ本体を水道管から外しているので、繋ぎ目のナットの緩みなどで水が漏れてこないかなどを確認して修理は完了です。
最後にハンドルを取り付ける際に、ハンドル本体内部の金色のネジはぎゅっと閉めすぎると、我家ではハンドルの動きが悪く(重く)なったので、ほどほどにしておきましょう。
無事ポタポタ水漏れも止まりました。
反省点など
手順4までで済めば楽な作業なのですけどね。本体取り外しとなると作業工程も増えます。
洗面台下のアタッチメントナットと洗面台上のバルブエスカッションキットでバルブボディを固定するのですが、カートリッジ部分がどれくらい洗面台の上に飛び出ているか(高さ)で、うまくハンドルが回らなかったりして調整が必要でした。
作業手順には注意書きを入れましたが、アタッチメントナットを外す前に最初どの位置にあったか、高さを図っておくほうが良いかもしれません。(私は『だいたいこの辺り』とクルクル外してしまったので調整に苦労しました)
建築時の取説と図面などが役に立ちました。大事に保管しておいてよかった。
家を建てた時は、深く考えずに「わぁ素敵~」と選んだ水栓(標準仕様がこれだった)でしたが、輸入品は修理の時に部品の調達がネックですね。
交換部品が手に入らなくなったらどうしよう。アメリカのAmazonから買う?それとも国産で設置可能な商品(国産なら部品調達とかメンテが楽そう)に交換する?…悩ましい所です。
【参考資料】
ハウスメーカーからもらった日本語版での仕様書には品番の記載がなかったので、部品の名称と品番は下記リンク先から、今回の修理に関する部品のみピックアップしておきます。
#7881ハンプトンの各パーツ名称と品番
バルブボディという名称は日本語の部品構成図からなのですが、本家図面には名称が記載されておらず品番も不明です。
また、本家の図面ではアタッチメントナットと記載されていましたが、品番検索して出てきた画像と我家の部品は見た目が違いました。
我家の日本語の取説には「バルブマウンティングキット」とあり、本家サイトで検索したところでは、Valve Mounting Kit 品番:M961634-0070A じゃないのかな?という気がします。同じ#7881ハンプトンでも、流通時期によって若干部品が違うのかもしれません。
- INDEX CAP 021470-YYY0A
- HANDLE SCREW 918428-0070A
- LEVER HANDLEBASE 916503-YYY0A
- HANDLE ADAPTER 923002-0070A
- VALVEESCUTCHEON KIT 013312-YYY0A
- VALVE 994053-0070A ★今回交換したバルブカートリッジ
- ATTACHMENT NUT M906617-0070A ※我家のとは別部品のようでした
- TEE & HOSE KIT M953006-0070A
品番中の「YYY」には仕上げのコードが入るようです。艶あり/なし・クロム/真鍮など。
- CHROME 002
- POLISHED BRASS 099
- SATIN (PVD)/CHROME 221
- VELVET 285
- VELVET/BRASS 287
- SATIN NICKEL 295
- SATIN/BRASS 297
- CHROME/BRASS 299
品番は以下より。いつリンク先がアクセス不能になるかわからないので、上に品番のメモを残しておきます。図面が必要であればリンク先からダウンロードしてください。