第一志望合格を掴むために「やっておいてよかった」こと

これから大学受験に臨む後輩たちに向けて各学年ごとに「これをやっておいてよかった」「知らないと後で苦労する」と感じたポイントをいくつか。
※公立高校から私立大学(理工学部)へ進学した我家が感じたこと(保護者目線)なので、内容がやや偏りますがご了承ください。
高1生へ:最初の分岐点は秋にやってくる
高校生活にも少しずつ慣れてきて、部活や行事で毎日が楽しくなってきた頃ではないでしょうか?そんな充実した日々の中で、実は高校生活最初の大きな分岐点がすぐそこに迫っています。それが高1の秋(夏休み前に希望提出がある場合も)に やってくる「文理選択」です。
「大学受験なんてまだ先の話でしょ?」と思っていると、後から「あの時もっと考えておけばよかった…」と後悔することになりかねません。
文理選択を間違えると後で苦労する
基本、一度決定した後に文理選択後のルート変更はできないので「友達がみんな文系だから」などと安易に決めてしまわないように。
「文転(理系から文系への変更)」や「理転(文系から理系への変更)」したい場合、不足分の教科は独学。学校の授業(+定期テスト)と同時進行で、未履修教科の独学はとても労力が要ります。
この選択で間違えないために必要なのが、「大学でどんな学部学科があり、自分は何を学びたいか」を今のうちからしっかり考えておくことです。
「オープンキャンパスは高1じゃ早すぎる」は大きな誤解
夏の間に、ぜひ大学のオープンキャンパス(OC)へ足を運んでみてください。
「まだ1年生だし、部活も忙しいし…」とためらう気持ちもわかります。しかし、いざ高2・高3になってから行こうとすると、以下のような問題に直面します。
- 行きたい大学の開催スケジュールが重なっていて、どちらか諦めるしかない
- 立地的に1日で複数回るのが難しく、時間が足りない
高1のうちから計画的に参加しておくことで、余裕を持って「本当に自分に合う大学」を見極めることができます。まずは直感で「楽しそう!」と思う大学でも構いません。
推薦を狙うなら勝負は高1の1学期から始まっている
もし推薦(指定校推薦・公募推薦)を少しでも視野に入れているなら、高1からの行動が合否を分けます。
「評定平均」は、3年生になってから頑張っても急に上がるものではありません。高1の1学期から高3の1学期までの「3年間の積み重ね」がそのまま数値になります。
特に指定校推薦の場合、大学側が提示してくる評定は「指定校推薦に応募することができる最低ライン」です。評定@なら安心という明確な基準はありません。同じ枠に希望を出すライバルの成績にも左右されるため、より高みを目指して安定した成績をとることが重要になります。(評定5.0でも他に同等の希望者がいる場合は安心できません)
また、英検などの検定スコアや、部活動・生徒会・委員会などの課外活動も含め、勉強だけでなく高校生活全般で自己PRできる「強み」をつくっておきましょう。
高2生へ:今、動いた人が勝ち残る
「受験勉強は高3になってから」「部活を引退したら本気出す!」なんて考えていませんか?
残念ですが、多くの人がそれは妄想で終わります。 土台となる基礎がない状態からの「逆転合格」は、そう簡単なものではありません。
高2の冬(年明け)には、共通テストまで残り1年のカウントダウンが始まります。意外とあっという間にやってくる受験本番に向けて、少なくとも第一志望校への距離が見えてくる高2の秋ごろには気持ちを切り替えましょう。
家だとなんか勉強する気になれない…という人は、受験本番に向け朝型へシフトしていく必要もあるので、早朝に登校して「朝の勉強時間」を確保しましょう。塾に行っている人は塾の自習室を活用しましょう。
秋の「高3の選択科目決定」までに第一志望を絞り込む
公立高校の多くは、高2の秋に「高3での選択科目」を決定するための面談があります。「選択科目=受験科目」に直結するため、秋の面談までに第一志望の大学・学部学科を決めておくのがベストです。
情報を集めて志望校を確定させるために、オープンキャンパス(OC)を活用しましょう。
我家はこの時期、いくつかの大学のオープンキャンパスで、模擬授業参加や興味のある分野の研究室見学に行っています。WEBサイトや資料を読んだだけでは見えてこない様々なものがありました。
オープンキャンパスは夏だけではありません。我家は高2の春休み(高3になる前)にも行っています。季節的に夏より楽に見て周れるのですが、開催規模は夏と比べるとやや縮小傾向です。
英検(2級~準1級)計画的に準備して強力な武器に
最近の大学入試において、英検などの外部試験スコアは「持っていれば有利になる武器」です。英語の試験免除・得点換算・加点など、利用できる大学が多数あります。
英検・TEAP・IELTS 活用校検索(日本英語検定協会)
ただし「出願から2年以内」などの有効期限があるため、高2からのスタートがベスト。従来型(ペーパー試験)の場合、年3回しかチャンスがないので、それぞれの受験スタイルに合わせた計画的な準備が必要となります。
- 推薦入試を検討: 高3の5月(第1回検定・二次試験は7月)まで
- 一般入試を検討: 高3の10月(第2回検定・二次試験は11月)がラストチャンス
※指定校推薦などで、英検が必要な場合、校内選考のアピールポイントとしたい場合は、秋には最終結果(一次/二次)が出ていないと使えません
※受験級合格の必要がある場合、一次・二次とストレートで合格して上記がギリギリのラインになるので、一次免除で二次を再チャレンジする場合は、1回前の受験が最終となります
試験回数が多く1度の受験で4技能全てのスコアが出る、S-CBT方式(PCでテスト)も併用して計画を立てましょう。
対策なしで頻繁に受けてもスコアは伸びません。日頃の受験勉強をベースにしつつ、英検受験前に過去問や単語帳(単熟語EXなど)を短期集中で組み込むスタイルがおすすめです。
最終目標は、2級をハイスコア(2300以上/2600満点)で合格か、準1級の4技能スコア取得。(準1級に合格=2304~/3000満点・2400~あると楽・2500~慶應/文で使える)
※推奨合格級・推奨スコアは受験する大学・学部学科により異なります。出願資格として使う以外では、他教科の仕上がり度にもよりますが、少なくても英語の得点換算では80%、できれば90%以上~満点換算のスコア取得が理想です。
高3の夏に英検スコアを確保できていると、その後は受験する大学の対策に集中できるのでおすすめです。
大学によっては英検利用の場合は受験級の指定(準1級・1級受験に限る ※合否は問わない場合が多い)があったり、各技能での最低点が設けられている場合(総合スコアをクリアしていても各技能で1つでも点数が足りないとNG)もあるので、受験を考えている大学の入学試験要綱を確認してみましょう。
高3生へ:今すぐ始める「逆算型」受験プラン
志望校(大学・学部・学科)が具体的に決まってきた人も多いのではないでしょうか。
これからの時期は、「自分に何が足りないか」を冷静に分析し、「いつまでに仕上げるか」を逆算して、効率的に勉強を進めていく必要があります。
失敗しない「一般受験プラン」の組み立て方
高3の春にはこれまでの模試の判定をベースに、一般受験のプランを具体的に組んでみましょう。学校からも指導があると思いますが、受験校は以下の4つのレベルに分けてバランスよく配置するのが基本です。
- 挑戦校(1〜2校):憧れの第一志望。安易にレベルを下げず、最後まで粘り強く目指しましょう。
- 実力相応校(2〜3校):全学部日程や英検利用などを活用し、受験方式を変えて複数回チャレンジできるか確認します。
- 安全校(2校):試験の雰囲気に慣れるため、実力相応校よりも「前の受験日」に設定するのが理想です。共通テスト利用や英検利用も検討しましょう。
- 超安全校(1校):精神的なお守りとして確実に合格を確保する枠です。こちらも共通テスト・英検利用を視野に入れます。
私大受験組にとって、共通テストや英検の利用、同じ大学内の学科併願などは、当日の負担を減らしチャンスを広げてくれる強力な武器になります。積極的にプランに組み込みましょう。
A判定でも油断禁物。併願先選びは慎重に
2026年入試も厳しかったですが、首都圏の2027入試も私大の定員厳格化の影響が続き、決して油断はできません。「A判定だから大丈夫」と過信せず、現実的なスケジュールを組むこと。それこそが最後に第一志望へ全力を注ぐための最大の防衛策になります。
自分が受ける大学が合格者を絞り込んでいて危険(難化している)かどうかは、大学が公表している「過去3年分の入試結果データ」を見ると浮かび上がってきます。
※詳細を公開していない大学もあります
<注意すべき危険なサイン>
- 志願者は増えているのに合格者が減って実質倍率が急上昇している
- 一般選抜の「募集人員」が削られている(年内入試・推薦枠の増加)
- 補欠合格(繰り上げ合格)が激減している(2〜3年前までは補欠合格を多く出していたのに、直近の入試でほとんどゼロ=補欠通知は出たが実際にはほとんど繰り上がらない場合も含む)
他にも様々な要因が関係していると思われますが、受験生個人での正確な判断が難しいところです。
まずはその大学の年度ごとではな全学年の総在籍者数(収容定員)も確認したうえで、最終的な受験プラン(併願校のピックアップ)を固めていきましょう。
※在籍者数:8,000人以上の大規模大学の場合、定員充足率:105%以上で助成金が全額カット、101~104%で一部カットになります
2027年入試も、人気私大のボーダーライン上の受験生にとっては非常に厳しい戦いになります。志望校の過去問演習の際は、合格最低点ギリギリを目指すのではなく、常に「合格最低点+15〜20点」を安定して取れる実力を目指して対策を進めましょう。
受験日程を一覧にして気づくことがある
志望校が決まったら、「受験日・合格発表日・入学手続きの締め切り日」をすべてカレンダー(一覧表)に書き出してみてください。文字だけでは見えなかった具体的な問題が見えてきます。
- 受験日の重複や連続:4日以上の連続受験は体力的・精神的に厳しくなります。受験校や受験方式を再調整し、ベストとされる「最大2連戦まで」に抑えるスケジュールが推奨されます。
- 「捨て金」の発生:第一志望校の合格発表前に、すべり止め(安全校)の入学手続き締め切りが来てしまうケースがあります。これにより数十万円の入学金を支払う(入学辞退をしても原則返金されない)必要が発生します。滑り止め校に「入学金延納制度」があるか、また「いつまで待ってくれるか」を事前に必ず調べておきましょう。
赤本購入はあせらない
現実的な受験プランを組み、併願先が決まってから今年度の赤本購入を。夢や希望だけで早くに赤本を購入してしまうと後からプラン変更があった時に無駄な出費となります。オンラインの過去問なども賢く利用しましょう。
高3の夏を充実したものに!秋からのラストスパートに備える
受験の天王山ともいわれる「夏」をどう過ごすかで、秋以降の伸び代が大きく変わります。夏の頑張りや努力は、秋以降の不安定になりがちなメンタルを支えてくれる「お守り」になります。まずは目の前の目標に向かって、着実に一歩ずつ前へ。
指定校推薦(校内選考)へ出願する人達も、9月頃に校内選考の結果が出るまでは勉強を絶対に止めないこと。「校内選考を通ればほぼ合格」と言われますが、夏休みの気の緩みは厳禁です。
「9月の校内選考がダメだったら一般受験で同じ大学を受ける」という覚悟を持ち、夏休みは一般受験生と同じ熱量で受験勉強を続けてください。
マークシート用筆記具は模試の段階から慣れておく
普段どんな筆記具を使っていますか?「0.5mm/HBのシャーペン」を使っているなら今すぐ見直ししましょう。
大学受験のマークシートは、普段の模試や英検以上に丁寧かつスピーディーに塗りつぶす必要があります。「0.5mmだと細すぎて塗りつぶしにくい?」と直前に焦らないよう、早めに本番用の筆記具を準備して、夏の終わりの模試から使い慣れておきましょう。
なお、共通テストでは鉛筆(マークシートの塗りつぶしにシャーペン不可)、私大入試では鉛筆・シャーペンどちらでも使用可となっている場合が多いです。
直前で焦らない。私大出願のスケジュールと事前準備
年が明けると、目の前の共通テスト対策で頭がいっぱいになってしまいます。だからこそ、私大の出願流れは「今」のうちに把握しておくのが鉄則です。
用意しておくべき書類(英語外部試験のスコア証明書や合格証明書など)、事前に購入しておくべきもの(封筒など)は意外とたくさんあります。直前になって「書類が足りない!」「締切が明日までだった!」とパニックにならないよう、早め早めの行動を心がけましょう。
秋からのラストスパートに向けて
秋以降は、自身の到達度の確認、生活スタイルの朝型へのシフト、入試要項の最終チェック、出願準備など、とにかくやることが山積みで忙しくなってきます。心身ともに不安定になりがちな時期ですが、ここからが本当の最後の追い上げです。
体調管理を第一に、自分を信じて頑張ってください。
大学受験は情報戦
「大学入試は情報戦」とよく言われますが、これは決して大げさな表現ではありません。近年は入試方式が多様化しており、早めに正確な情報を集めた人が有利になります。
ただパンフレットや資料を集めるだけで満足していませんか?資料は入手してからが本番です。
疑問点は「大学の担当者」に聞くのが正確
募集要項やパンフレットを読んでいて、わからないことや曖昧な点が出てくることがあります。その際、まずは高校の担任の先生や進路指導の先生に相談しがちですが、実は注意が必要です。
高校の先生方は多くの生徒を相手にしているため、各大学の最新かつ細かな入試情報をすべて網羅しているとは限りません。
「読んでわからないことは、オープンキャンパスなどで大学の担当者に直接聞く」
これが最も確実で、間違いのない方法です。オープンキャンパスや大学合同説明会は、大学の「中の人」に直接質問できる絶好のチャンス。疑問に思ったことはメモしておき、その場で解消してしまいましょう。
大学受験は「親のフォロー」が不可欠
近年の大学受験は情報戦ともいわれています。志望大学の情報収集に始まり、膨大な提出書類の管理、複雑なスケジュール調整など、受験生が一人でこなすにはタスクが多すぎます。
本人が勉強だけに集中できる環境を作りメンタルを安定させるためには、事務的なサポートを行う「親のフォロー」が不可欠なのです。
直前期に「こんなはずじゃなかった!」と親子でパニックにならないために、時間に余裕がある今のうちに、以下の2点は必ず確認しておきましょう。
- 受験に対する考え方(方針):「絶対に国公立なのか」「私立なら何校までチャレンジしていいのか」「浪人は視野に入れるのか」を明確にします。
- スケジュールの共有:出願から入学手続きまで、1日の遅れが命取りになります。「手続きミス」だけは絶対に避けなければなりません。本人任せにせず、必ず親子でダブルチェックする体制を作ってください。
保護者が絶対に見るべき2つのポイント
受験校を選ぶ際、子ども任せにせず保護者も必ずチェックしてほしいポイントが2つあります。
- 学費・諸経費の総額:4年間(あるいは6年間)で総額いくらかかるのか。初年度の納入金だけでなく、2年目以降の推移や、一人暮らしの場合はその費用も含めてシミュレーションしておきましょう。
- 院進率(大学院進学率):特に理系学部の場合、大学院への進学率が50%を超える学科も少なくありません。院進する場合、学費がさらに2年分かかるだけでなく、就活の時期も異なります。「4年で卒業するつもりが、周りの大半が進学(院進)する環境だった」というギャップを防ぐためにも、事前の確認が必須です。
私大に6年間となると学費は相当な金額になります。返済不要の給付型奨学金・支援制度などが利用できるかどうかも併せて調べておくとよいでしょう。
最後に
スタートが遅くなると高3でやるべきことが多すぎて間に合わなくなります。本人のスイッチが入らずとも、高1から計画的に大学受験に向けて動きましょう。
現在、無事第一志望大学へ通っていますが、あの時動いていなければ今はなかったな…と思います。
以上、簡単ですが後輩たちへのアドバイスとして。






